グローバル・ビジネス: リスク管理の鍵

現代のグローバル・リスクが複雑化していく中、製造工場、デジタル・ネットワーク、従業員、経営幹部などのオペレーションとサプライ・チェーンを保護するため、国際的な成長を目指す企業の間で現地のエキスパートや代替ソリューションをめぐる期待がますます高まっています。

AIGのマルチナショナル部門グローバル・ヘッドを務めるエルケ・ヴァゲネンデは、 「重要なのは早期に計画を立てることです」 と語ります。

さらにエルケは、「今後のリスク管理では、マルチナショナル保険プログラムにもとづく戦略的な対応が必要です」 と言います。

プログラムの設計では、企業が事業拡大を計画している特定の国または地域に特有のリスクの範囲特定と予測に関する高度なスキルを備えた専門家からインサイトを得て、それを反映することが必要です。各国の国内市場をめぐる慣行や規制が急速に変化する中、こうした専門知識を入手することがこれまで以上に重要になっています。

「企業が国際的に成長する際には、事業を展開する地域の複雑性を把握しておく必要があります。」400人を超えるAIGの多国籍専門家チームと200以上の管轄区域にまたがる保険会社ネットワークを統括するエルケはそう語ります。

各国市場で際立つAIGのマルチナショナル保険ソリューション

AIGの多国籍事業の中でも、グローバル・ネットワークと各国の国内事情に関する専門知識のスケールは際立っています。さらにこの部門は、引受会社、仲介業者、保険請求の専門家と連携しながら、多様な手段を活用してクライアントが自らリスクを管理できるよう支援しています。

たとえば、AIGのマルチナショナル・エキスパートは、市場の変化を積極的にモニタリングし、変化する新規則をクライアントがシームレスかつ戦略的に導入できるよう支援します。プライバシーやデータに関する規制の強化など、現地の法令の変更は、企業の保険契約の条件や、現地でのビジネス運営に大きな影響を与える場合があります。

AIGのエキスパートは、多様な管轄区域にわたる規制要件の微妙な差異をめぐる対応にも精通しています。これには多くの理由がありますが、エルケはあるシナリオを用いてその背景を説明しています：

米国のクライアントがイタリアで数十種類の事業を展開しているとします。イタリア国内で発生した損失について保険請求を行う場合、クライアントの請求手続きを支援する上で、イタリアの法制度の仕組みに精通したエキスパートの協力を得ることが不可欠です。

AIGの保険請求処理能力は、クライアント、ブローカー、その他多くの市場関係者から高い評価を得ている、とエルケは言います。

「多国籍チームと優れた保険請求能力を一体化して卓越した企業力を実現しています」 。

高まるグローバル・リスクを受け、多国籍企業が注目する代替ソリューション

グローバル・リスクの相互関連性が高まり、企業経営がますます複雑化する中、健全なマルチナショナル保険プログラムの構築が不可欠になっています。

特にサイバー保険など特定の分野でその必要性が高まっている、とエルケは言います。「ランサムウェア攻撃の頻度と深刻度が高まるにつれ、従来の保険市場が提供する補償範囲とのギャップを解消するために、キャプティブなどの代替ソリューションを活用する企業が増えています」。

キャプティブのクライアントは、AIGの多国籍機能から次のようなメリットを得られます：大半のキャプティブは、すべての地域でリスクを (再) 保証する許可を得ていないため、企業には、世界の大半の国をカバーするネットワークを持つAIGのようなフロンティング企業との提携が必要になります。AIGは通常、フロンティングの引受、国内の保険証券や証明書の発行、関連資金の移動などをキャプティブに代わって取り扱います。

「当社のキャプティブ・フロンティング引受部門は、商品チームとの緊密な連携により、クライアント個別のニーズに対応しています」 とエルケは言います。「AIGの強みは、まさにこの柔軟性です」 。

理想的なカスタマー・エクスペリエンスを構築

今後、AIGのマルチナショナル部門では、様々な機会を通じてブローカーとクライアントのエクスペリエンス向上を目指していきます。

多くの場合、多国籍企業はAIGとの間で複数かつ相当数の保険契約を交わしています。こうしたクライアントは、保険料の支払い状況や発行された保険証券の内容を把握するための機能を必要としています。

また潜在的なリスクをめぐる掘り下げた情報も同様に重要です。AIGは豊富な経験を活かし、企業の将来にわたる事業に関する重要な意思決定を支援するために、ブローカーやクライアントに確かな実績あるインサイトを提供していく計画です。

「キャリアを通じて、クライアントと複雑性がつねに取り組みテーマの中心でした」 エネルギーやテクノロジー業界の多国籍企業向け保険コンサルタントとしてキャリアをスタートし、その後、保険引受や流通業界の専門家として経験を重ねてきたエルケは言います。

「AIGのクライアントにポジティブなエクスペリエンスを提供することが最優先の課題です」 。

まとめ

グローバル・リスクは今後ますます不確実性を高め、その国境も曖昧になっていきます。しかし、これは企業が世界各国へ事業拠点を拡大していく取り組みの障壁にはなりません。適切な専門知識さえあれば、企業は将来のリスクを管理し、自信を持って成長し、最大の収益を実現できます。

※この記事は2022年8月3日にaig.comのNewsroom – Storiesに掲載された記事を和訳したものです。

※日本においてはGroup会社であるAIG損害保険株式会社にてサービスを提供しています。

※AIG損保の提供するグローバルリスクマネジメントに関するお問い合わせはhttps://www.aig.co.jp/sonpo/global にアクセスください。